尿酸値
【高尿酸血症が痛風発作の原因に】
仕事場の定期検診で「尿酸値が高い」や「高尿酸血症ですね」などといわれても、ピンと来る人は少ないでしょう。

血液中の尿酸値が高くなると個人差はありますが、風が吹いただけでも激烈な痛みが襲ってくるといわれる痛風発作を 引き起こす危険性が非常に高くなります。痛風予備軍ともいえる高尿酸血症の人は、成人男性の4人に1人はいると推計 されていますから、痛風は決して他人事とは言えないでしょう。

痛風発作の最大の原因となる尿酸は、細胞の核酸を構成しているプリン体という物質が代謝されてできる老廃物です。
ヒトを含む霊長類以外のほ乳類では、尿酸はアラントインという物質に代謝されたうえで排泄されます。

また、魚類はアラントインをさらにアンモニアと尿素に分解して水中に排泄します。
ところが、ヒトを含む霊長類の場合は 進化の過程で尿酸を代謝する酵素を失くしてしまいました。つまり、痛風による発作は人間特有の病気といえるでしょう。

血液中の尿酸は、腎臓でろ過されて尿として排泄されたり、一部は便と一緒に体外に排泄されます。ところが、排泄される量を 超えて尿酸がつくられたり、腎臓でうまくろ過されないと血中尿酸値が上がり、血液に溶けきらなくなった尿酸は結晶となって 関節や腎臓にたまっていきます。

けれど、尿酸が結晶化(高尿酸血症)しただけでは、痛風発作は起きません。
結晶化した尿酸を異物とみなした白血球などが免疫反応を起こすことで、激しい痛みや腫れを伴う痛風発作がおこります。


【ビタミンCやカリウムで尿酸の排泄を促進する】
痛風=中年の病気という印象が強いですが、最近では20~30歳代で痛風発作を発症する場合が増加しています。

ところで、痛風になりやすいタイプはあるのでしょうか?
第一に挙げられるのが肥満です。

肥満になると尿酸の排泄が阻害されることがわかっていて、実際肥満度が上がれば上がるほど、尿酸値が高くなる 傾向にあるという報告があります。
また、尿酸のもととなるプリン体を多く含む食品(レバーなどの臓物類、イワシ、カツオ、エビ、貝類、魚の干物など)を 毎日たくさん食べる人も血液中の尿酸が増加するといえます。

さらに、お酒をたくさんに飲む人も高尿酸血症になる可能性が高いといわれています。というのも、 お酒は尿酸を増やすばかりでなく、分解される過程でできる乳酸が血液を酸性化して、尿酸が腎臓でろ過されるのを妨害します。

高尿酸血症を予防するには、規則正しい生活とバランスのとれた食事を意識する必要があります。
また、尿酸を増やしたり、排泄を阻害する食物やお酒については、食べたり飲んだりしてはいけないということではありませんが、 量を決めることが大切です。

高尿酸血症の原因の1つである、腎臓での尿酸のろ過を促してくれる物質が、カリウムです。
また、ビタミンCは関節などに蓄積された尿酸を腎臓に運んで、尿として排泄するのを促進するといわれています。
さらに、葉酸は尿酸をつくる酵素の活性を弱める働きがあるといわれており、その結果、血中尿酸値を抑えることが期待できます。

痛風発作による炎症を抑える働きがあるとみられているサプリメントとして、パイナップルなどに含まれている消化酵素の ブロメラインと、フラボノイドの一種のケルセチンがあります。ケルセチンは抗炎症作用のほかにも、ブロメラインの吸収を助けたり、 尿酸の生成を抑制する働きもあるといわれています。